小さな株式会社を設立するなら検討すべき7項目
■書類を作成する前に
前ページで2箇所に書類を提出すれば設立できる事が解ったと思います。 では書類の作り方を教えて!となりますが、ちょっと待ってください。 物作りに例えると、書類の作成は製造工程です。 その前にどのような会社を作るかという、企画や設計に相当する知識を身に付ける ことが大切です。ただ設立できれば良いというわけではないのです。 このページが一番重要です。最後までお読みください。
■まずは設立時に4万円節約!
市販の会社設立のHOWTO本では紹介されていませんが、 電子ドキュメントの定款(電子定款といいます)で認証手続きを受けると、 紙の定款で認証手続きをするよりも4万円安くなります。 詳細は次ページで説明します。今は「電子定款で4万円節約」 と覚えておいてください。
■シンプルな機関設計にしよう!無駄な役員や機関は不要!
株式会社には株主総会・取締役(代表取締役も含む)・取締役会・監査役・会計監査役など の機関を設定することができますが、小さな会社は 株主総会と取締役(代表取締役)のみのシンプルな構成にしましょう。 これ以外の機関は経営と所有が同じ小さな会社にとって、 メリットはありません。
え?うちの会社は3人で作るから取締役会を設けたいです!と言う方も 取締役会は不要でしょう。もちろん3人で話し合って会社を運営するのは自由です。 これを自分たちの間で取締役会と呼ぶのは自由ですが、 会社法上の取締役会は不要でしょう。 ここでは詳しくは説明しませんが、それぞれの機関がどのような役割をするかを 調べれば不要なものだと解ると思います。
「会社の機関は株主総会と取締役のみ」と覚えておきましょう。
私の意見 一応読んでみました。 数千万円のキャッシュフローと数億円の資産。300万円の宝石を衝動買いできるようになった「プライベートカンパニーとは?」というPRにつられて。
「サラリーマンでもできる魔法の資産形成術」だそうです。法人は必要ということは賛成できますが、、、、、
■電子公告で年間約6万円の経費を節約!
電子定款で設立すると4万円節約できる事を紹介しましたが、これは設立時の1回だけです。 これから紹介することは設立後、毎年約6万円の節約につながります。
会社法(440条)で株式会社は決算公告をしなくてはならないことになっています。 公告の方法は「官報」「日刊新聞」「インターネット」から選択します。 「インターネット」で公告することを電子公告と呼びます。 官報で公告すると6万円弱の費用がかかるのに対して、 インターネットならば安く抑えることができます。 もちろんホームページを作成して公告しなくてはなりませんが、 そのような知識がない方でも簡単に公告するサービスがあります。 次ページで紹介します。
また、滅多に発生するものではありませんが、決算公告以外の公告は 官報にした方が良いでしょう。理由は決算公告以外の公告をインターネットで公告する場合 は調査機関の調査が必要になるからです。 「ちゃんと公告しました」ということを調査機関に証明して もらわなければなりません。 調査機関に調査依頼をするのと官報に掲載するのを比較すると 官報に掲載するほうが安いですし、手間もかかりません。
「決算公告を電子公告、その他の公告を官報」と覚えておきましょう。
インターネットが普及していない時代は「官報」が一番お得でしたが、当サイトでは官報に掲載する費用を節約するため 「決算公告を電子公告、その他の公告を官報」をおススメしています。 会社設立書類作成システムを利用して頂く方には、電子公告方法とサンプルをお教えしております。 殆どの方が失敗するのですが、例えば便利屋さんの紹介する為に取得したbenriya.jp等は 電子公告には適していません。なぜだかわかりますか?解らない方は当サイトの 書類作成システムの利用した方が賢明です。電子公告を推薦する当サイトにしか解らないことです。
またホームページを作成・管理するのが面倒という方には、月額300円で直ぐに電子公告サイトを利用できる 電子公告掲載サイトをご用意しました。かんたん会社設立を利用して設立する方には初期登録料9,800円が不要なのでお得です。
■株券は発行しない
株券を発行する必要はないので、株券は発行しないようにしましょう。印刷代が抑えられます。
■株は勝手に売買できないようにする
経営権が他人に渡らないように、株を勝手に売買できないようにしましょう。 譲渡制限会社(非公開会社)と呼びます。譲渡制限会社には様々な利点があります。 例えば取締役の任期を最長10年にすることができます。
「小さな会社は譲渡制限会社にすべき」と覚えておきましょう。
■資本金は1000万円未満がお得!
消費税の免税業者になるためには、資本金は1000万円未満で前々年の売上高が1000万円 以下であることが必要です。新規の法人は前々年の売上高はないので、資本金1000万円未満であれば 初年度と2年目は消費税を支払わなくても良いことになります。
「資本金1000万円未満がお得!」と覚えておきましょう。
■税金対策
「一番大切なのは、税金対策」です。 これを考慮しないと、会社の成長に大きく影響してきます。 もちろん自分が手にするお金にも影響します。 ここでは決算日について紹介します。
大企業の殆どが決算日を3月末としていますが、 別に3月末でなくても良いのです。 逆に3月末は避けたほうがメリットが多いと思われます。
引越屋さんを例に説明します。 引越屋さんなら3月が繁忙期であることは予想がつくと思います。 解りやすくするため4月から翌年2月までの利益は0円、 3月に100万円の利益が上がったとします。 この様な場合、多くの会社と同様に決算日を3月末にしてしまったら、 3月に出た利益100万円に法人税率をかけた値が税金(22万円)になります。 もし決算日を2月末としておけば、3月の利益100万円は約1年かけて 設備投資などに使用して利益を少なくすることができます。 例えば年間の利益を10万円に抑えた場合、税金は約2.2万円なので約20万円もの差が出ます。 決算日という何でもなさそうな決定事項にも知らないと損をしてしまうことがあります。 要注意です。 決算日を決める際は、もう少し考慮すべき観点があります。(少しいやらしいですが後は当サイトを利用するお客様のみとさせて頂きます。) ここで紹介した観点が将来的に一番大きく影響するでしょう。
■まとめ
会社設立自体はそんなに難しいことではありません。しかし、 ここで紹介したような事を知っているか否かで、後々大きく差が出る事を 理解してください。
では、会社を設立するにはいくら必要かを説明してから、会社設立の手順の説明をします。