事業目的を入力する際の注意事項

事業目的を入力する際の注意事項

恥ずかしくない事業目的を書くために！
　このページは必ず最後まで読んでください。事業目的は登記簿に記載される為、取引先の目に触れやすい重要な項目です。 銀行口座が作れなくなることもあるので注意が必要です。
事業目的の書き方は次の２つのパターンで記入してください。
　事業目的は会社の理念を書くものではありません。 書き方は「電気機械器具の製造及び販売」といった「○○○の□□□」という形式が基本です。 また「介護保険法に基づく居宅サービス事業」の様に 「事業」を直接書く形式もあります。主に許認可が必要な業種は後者の形式になると思います。ただし事業の名称は法律などで定められている正式な名称にして下さい。 悪い例は「人材派遣事業」などです。理由は後述します。
全て良い例とは言えませんが、なるべく事業目的データベースをまねてください。 介護事業をやる方はこちら

１．何で収益を上げるかを書きましょう！
　何を行うかを記載するのではありません。何で利益を上げているかを記載きます。 日立製作所の第２条の１号に「電気機械器具の製造及び販売」とありますが、日立製作所は製造業なので「製造及び販売」となります。小売業ならと「販売」のみ で良いでしょう。「仕入及び販売」する必要はありません。
事業目的の最後に「前各号に附帯又は関連する一切の業務」と入りますので、細い内容は不要です。 例えば、研究、開発、企画、マーケティングなど附帯する業務は記載する必要はありません。

２．細かくしすぎない、漠然としすぎない、
　「電気機械器具の製造及び販売」を「パソコン、携帯、照明器具・・・」と詳細に書くとかえって事業の幅を狭めてしまいます。 しかし「製品の販売」「物販販売」「総合建築業」など漠然としているとNGとなったケースもあります。

３．直ぐに始める事業と将来手掛けたい事業を書きましょう！
　将来手掛けたい事業と言いましても、たくさん記載するのはやめましょう！ 行っていない事業目的が沢山あると、信憑性のない定款になってしまいます。銀行口座を作れない事もあります。 サンプルとして見て頂いた日立製作所は従業員３万人、連結従業員数３２万人、資本金４３９２億円という規模の会社ですら ２２個の事業目的にです。小規模な会社であれば５～７個が適当です。
　また現状の規模でできる事業目的を書きましょう。 例えば資本金１００万円程度の会社の事業目的が「石油の掘削」などと書くと、 他の事業目的まで不信に思われてしまいます。
４．重複しないように書きましょう！
例えば
１．衣料品の販売
２．婦人服の製造、販売
婦人服以外は製造しなくても、「１．衣料品の製造、販売」で良いでしょう。「１．衣料品の販売」「２．婦人服の製造」でも 良いですが、事業目的はここまで正確な記載を要求していません。

５．「及び」「並びに」は注意して使いましょう！基本的に並びにを使うなら別の号にしてください。
講演やイベントを開催し、その内容を録画し販売しようというビジネスを 以下のように表現された方がいました。
「各種イベント、講演会及びそのメディアの企画、運営、制作及び販売」
このように書いてしまうと、各種イベントや講演も販売することになり、おかしな表現になってしまいます。 あまり詳細に表現をすると上記のような誤りが生じてしまいます。詳しく書く必要はありません。 この場合「メディアの販売」等は「前各号に附帯又は関連する一切の業務」に含まれますので事業目的に記載しなくても良いでしょう。

その他の注意事項
金融機関を意識するならば、事業目的を多く書かない方が良いと思います。目的を削除してくださいというお客様が多くいらっしゃいます。目的変更には３万円の登録免許税がかかりますので慎重に書きましょう。

シンプルに書きましょう！
× ○ 備考
・コンピュータシステムを利用した情報システム及び通信ネットワークの企画、研究・開発、販売、運用、保守・保全、コンサルティング及び評価に関する業務 ・情報システムの開発及び販売 細かく業務を羅列するする必要はない。
・国内企業への海外研修生紹介業務 ・海外研修生の紹介業務 顧客を定める必要はない。
・食品の製品開発、研究に関する国内外情報収集、刊行、各種文献の翻訳出版並びに、これに関する広報、宣伝活動 ・食品に関する文献の翻訳出版、広報・宣伝活動 カッコよく見えるけど、何で利益を上げているかを記載すればよい。
【事業目的を記載する時の注意事項】

　事業目的には営利性、明確性、具体性、適法性が必要です。 会社法の施行により、事業目的の記載について「具体性」は緩和されましたが、 具体的であったほうが良いと思います。
営利性がないとＮＧ 社会福祉への出資、政治献金など
不明確な文言はＮＧ 事業目的は基本的に日本語で表記します。一般的に広まっていない文言や アルファベットなどの外国文字は使用できません。
例外）OA、IT、DVDなどは使用できます。
　正確な文言で書きましょう。
×ネットショップの運営
○インターネットショッピングサイトの運営
ある程度、具体的に！ 以前は具体的に書かないとＮＧでしたが、現在は具体性に欠けても認められるようになりました。 例えば「物品販売業」「請負業」なども認められるようです。
しかし、これでは「いったい何をしている会社なのか？」と思われてしまいます。 ある程度具体的に「家具、日用雑貨の輸入販売」と書いた方が賢明です。
違法なもの、公序良俗に反するものはＮＧ 例）大麻の輸入販売、象牙の輸入販売、海や山に遺灰をまく作業などはＮＧ
株式会社、合同会社では行うことができない目的 医療行為、弁護士業務、税理士業務など法律で規制されているものがあります。
【許認可が必要な事業を行うのであれば注意】

　 許認可が必要な事業は定款の事業目的への記載が必須です。 中には事業目的に「ＸＸＸ業」と書かなければならないものもありますので、 よく確認しましょう。

＜建設業の場合＞
　　以下から選択すると良いと思います。
　　土木工事業
　　建築工事業
　　大工工事業
　　左官工事業
　　とび・土工工事業
　　石工事業
　　屋根工事業
　　電気工事業
　　管工事業
　　タイル・れんが・ブロック工事業
　　鋼構造物工事業
　　鉄筋工事業
　　舗装工事業
　　しゅんせつ工事業
　　板金工事業
　　ガラス工事業
　　塗装工事業
　　防水工事業
　　内装仕上工事業
　　機械器具設置工事業
　　熱絶縁工事業
　　電気通信工事業
　　造園工事業
　　さく井工事業
　　建具工事業
　　水道設備工事業
　　消防施設工事業
　　清掃施設掃除業
＜不動産業の場合＞
　　宅地建物取引業
　　不動産の売買、仲介、斡旋、賃貸及び管理
＜旅行業の場合＞
　　旅行業法に基づく旅行業
　　旅行業法に基づく旅行業者代理業
＜介護＞
　　以下の様に書けば良いと思いますが、定款作成前に、必ず指定を受ける自治体に相談してください。 細かく事業目的を書くように指定する担当者もいます。
　　介護保険法に基づく居宅サービス事業
　　介護保険法に基づく地域密着型サービス事業
　　介護保険法に基づく居宅介護支援事業
　　介護保険法に基づく介護予防サービス事業
　　介護保険法に基づく地域密着型介護予防サービス事業
　　介護保険法適用外での高齢者の介護予防を支援する事業
＜運送業＞
　　以下から選択すると良いと思います。
　　一般乗用旅客自動車運送事業・・・法人タクシー、介護タクシーなど
　　一般貸切旅客自動車運送事業・・・観光バスなど
　　一般乗合旅客自動車運送事業・・・路線バスなど
　　特定旅客自動車運送事業・・・特定の需要者に対する輸送

　　一般貨物自動車運送事業・・・通常のトラック運送業、霊柩自動車
　　貨物軽自動車運送事業 ・・・軽トラックを使用する運送業

　　第一種貨物利用運送事業・・・第二種以外の利用運送
　　第二種貨物利用運送事業・・・鉄道運送、航空運送、内航海運又は外航海運とトラックによる集配を一貫して行うもの
＜労働者派遣業・職業紹介事業＞
労働者派遣事業・・・労働者派遣事業法には「人材派遣」という文言は出てきません。「人材派遣」は正式な表現ではありません。
労働者派遣事業
労働者派遣事業法に基づく労働者派遣事業
有料職業紹介事業